年始の挨拶回りは、ビジネスにおいて「旧年中の感謝」と「新年の抱負や意気込み」を直接相手に伝える絶好の機会です。以下のポイントを押さえておきましょう。
・開始時期と事前連絡
年始の仕事始めの直後からスタート。事前連絡をし訪問先の都合をあらかじめ伺っておきましょう。
・服装・持ち物・所要時間
清潔感のあるビジネススーツと新しい名刺の準備を。必要であれば手土産も用意。滞在時間は短めを意識。
・面会時の会話
新年の挨拶から始まり、相手の忙しさや雰囲気を見ながら、話を広げるか短くまとめるかを判断。
・今後のアクションに繋げる
年始の挨拶回りはあくまで昨年のお礼と新年の挨拶をするためのもの。詳細な打ち合わせや提案は後日あらためてアポイントを取る方が好ましい。
新年を迎えると、会社や取引先などのビジネス関係者に「挨拶回り」をするのが日本の企業文化の一つです。特に営業職の方は、年始の時期に顧客先へ顔を出すことが慣例となっているところも少なくありません。しかし、「具体的にどう挨拶回りをすればいいの?」と疑問に思う方も多いはず。本記事では、年始の挨拶回りにおけるマナーや注意点を初心者にもわかりやすく解説します。たった5分で要点を押さえられるので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
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目次
年始の挨拶回りとは?
年始の挨拶回りは、多くの企業・組織に根付いている風習で、新年にあたり「昨年のお礼」と「今年もよろしくお願いします」という気持ちを直接相手に伝える機会となります。年賀状やメールなど、他の方法でも挨拶はできますが、直接訪問することで、以下のメリットを得られます。
信頼関係の強化
年始から顔を合わせて挨拶することで、相手の近況や感謝の気持ちを伝えやすく、取引を円滑に進める土台ができます。
情報収集の機会
年始の挨拶回りでは、新年度の方針や相手の新たな需要などを雑談の中でキャッチすることができます。
新規営業に繋げられる
年始から直接会うことで関係性が深まり、新製品の紹介やサービス追加などの提案をしやすくなる可能性があります。
挨拶回りのタイミングとスケジュール
挨拶回りはいつから始める?
一般的には、仕事始めの直後(例:1月4日や5日頃から)に実施するのが通例です。ただし、相手の業界や会社の動向を考慮し、適切な時期を見極めることも重要です。
例:金融機関や製造業は、年始からすぐ業務を本格稼働していることが多い。一方で、小売・サービス業は年始のセールで忙しいため、あえて少し落ち着いた時期に訪問するのも手。
事前連絡
突然の訪問は相手の迷惑になる可能性があるため、事前に電話やメールで訪問日程を打診しておきましょう。特に年度始めはバタバタしている会社も多いので、あらかじめ約束を取り付けることで、相手が準備する時間を確保することができます。
スケジュールの立て方
・訪問先の優先度を決める
顧客や取引先が多い場合、最重要顧客→主要顧客→定期的な取引相手の順に計画を立てましょう。
・地理的な効率を考慮する
挨拶回りは数日間で複数の企業を回ることが多いため、訪問先が近隣にまとまっているかを確認してルートを決めましょう。
・一社あたりの所要時間を把握する
挨拶自体は短時間でも、その後の雑談や名刺交換などがあると予定より長引くこともあり得ます。余裕を持ったスケジューリングを実施しましょう。
挨拶回りの流れとマナー
訪問時の流れ
受付で、社名、名前、訪問目的(年始挨拶)をはっきりと伝えましょう。
例:「○○社の△△と申します。新年のご挨拶に伺いましたので、担当の□□様にお取次ぎをお願いいたします。」
ポイント
携帯をいじり続ける、長椅子にだらしなく座るなどはNG。背筋を伸ばし、長時間待つ場合でも落ち着いた態度を心がけましょう。
担当者との面会時の流れ
軽くお辞儀をして「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」など挨拶を述べましょう。担当者とすでに知り合いの場合は新年の挨拶のみで問題ないですが、新担当者へ引き継ぎになっている可能性もあるので油断は禁物です。予備の名刺を十分に用意しておきましょう。
ポイント
年始は忙しい場合が多いため、話をするときは「昨年のお礼」と「今年のご挨拶」を手短かにまとめるようにしましょう。追加の商談などは相手の都合を聞き、別途日程を組むのが理想的です。
服装と持ち物
服装はビジネススーツが基本です。派手な装飾やカジュアルすぎる格好は避け、清潔感を重視しましょう。
持ち物は名刺・筆記用具・スケジュール帳など。
手土産は必ずしも必要ではありませんが、親密な取引先や社交性の高い相手にはお菓子やタオルなどの軽い手土産を渡す場合もあります。事前に前年はどうしていたのかを社内に確認したり、相手企業の慣習をリサーチしておきましょう。
滞在時間の目安
挨拶回りは基本的に長時間の商談ではなく、5〜15分程度を目安にするのが一般的です。相手が忙しそうなら短めに、雑談に応じてくれそうなら話を広げるなど、相手の状況を見極めて調整しましょう。
挨拶回りで使えるフレーズ集
新年の挨拶回りで使えるフレーズを用意しました。状況に応じてお使いください。
初めの挨拶
- 明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
- 新年あけましておめでとうございます。本年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
- 昨年は格別のご支援をいただきありがとうございました。本年もご期待に応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。
別れ際の挨拶
- 本日はお忙しい中、お時間を頂戴しありがとうございました。改めて本年もよろしくお願いいたします。
- それでは、また近いうちにあらためてご相談のご連絡をさせていただきます。本年も何卒よろしくお願いします。
挨拶回りのポイントと注意点
長時間の商談・営業は避ける
年始は多くの企業が挨拶回りをしているタイミングなので、相手先もスケジュールが詰まっている可能性が高いです。無理に商談を深掘りするのではなく、「ご挨拶と一言のお礼」にフォーカスし、詳細な案件などは後日改めて打ち合わせを設定するようにしましょう。
トラブル対応は別の機会に
「案件の不具合」や「クレーム対応」など、負担のかかる話題は年始の挨拶では極力避けましょう。もし必要であれば、別途連絡する旨を簡単に伝えるだけに留めておくほうが無難です。
時間を守る
アポイントを取った時間帯に遅刻すると、相手の予定全体に影響を及ぼすため厳禁です。年始は道路や公共交通機関の混雑も想定される時期なので、早めに出発して余裕を持ちましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 年始に多忙で挨拶回りできない場合は?
A. どうしても訪問の時間が取れない場合は、電話やメール、年賀状などで一報を入れるだけでも誠意は伝わります。後日、落ち着いた時期に改めて訪問を計画するのもひとつの手段です。
Q. 挨拶回りで渡す名刺は同じでいいの?
A. 名刺自体は通常と同じもので構いません。ただし、新年を迎えたタイミングで部署異動や役職変更があった場合、新しい名刺の用意を忘れないようにしましょう。
まとめ
年賀状やメールだけで済ませる企業も増えていますが、直接足を運ぶことで人間関係が深まり、信頼を高めるきっかけとなるのが「年始の挨拶回り」です。短時間でも丁寧なやり取りを心がけ、新しい年のビジネスを円滑にスタートさせましょう。
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